オシレーターの役割
とあるプライスアクショントレーダーは言ってます。
トレードにおいて最も重要なことの1つは、自分のアイデアがどんなに正しいと確信しても、逆を信じる同じくらい賢いトレーダーが存在することを知っておくことである。
トレーダーが身につけるべき唯一最も重要なスキルは、前の足の上や下で買い手が売り手よりも、あるいは売り手が買い手よりも多くなるときを判断する能力である。
同感ですね。
値動きの機微 を正確に感じることができればオシレーターなど無用でしょう。
ただし、短期的な値動きの趨勢を正確に感じ続けることは 絶対がない以上 難しいと思われます。
そういった現実を踏まえれば、オシレーターによるタイミングの判断は(特に決済においては)有用であると考えています。
オシレーターは売買タイミングを計る上での参考指標 なのでこれがないと絶対ダメ!
というわけではありませんが、あったら集中して見るべきところがだいたい判るし、眼精疲労も軽減するよ?ってことです。
特に決済において有用であると考える理由は一つです。
それは『待つため』です。
破産確率を低く抑えるには少なくとも損失幅と同等かそれ以上の利益幅が必要です。
利幅を取るために必要なことは 多くの場合ポジションを保有する時間を長くするということです。
【利食い千人力】という相場格言があるので
利益が出たら決済し続ければ負けない!
ような気がするのですが、利食いできるほど含み益が出ないまま含み損が広がることもよくあります。
結局は損益比率を重視した売買ルールに則ってやらないと資金が減りやすいのです。
というか減ります。
人間が利食いを急ぎ、損失を放置しがちなのは 行動経済学で言う『プロスペクト理論』というもので、一般に認知されています。
わたしも簡単な実験をテレビで見たことがあります。
子どもの目の前にマシュマロを置く。
ママが来るまで待ってたらマシュマロをもう一つあげると言って、部屋に1人にする。
というようなもので、数分待てばマシュマロが倍の数もらえるのだから
マシュマロが好きならば待った方が絶対いいわけです。
でも、70%の子供が待てずに食べてしまうんですね。
大人でも似たようなもので
今すぐの1万円か 一か月後の2万円か
と問われれば どう考えても一カ月後の2万円の方が自分が儲けるには合理的な判断なわけです。
しかし、実際1万円を目の前にすると半分ちょいぐらいの人が今すぐの1万円と答えるんですね。
これらは生き物としての本能的行動・判断だと言っていいでしょう。
人間は自分自身が思うほど合理的、論理的な生き物ではないということですね。
時間経過とともに不確実性が増大し、結果的には不利益を被る経験が人類の歴史の中では多かったのでしょう。
そういった経験の積み重ねの末に身に着けた習性が、トレードにおいては邪魔になってしまうのです。
9割ぐらいの人が稼ぎ続けられない原因の多くがこのような本能的習性が原因にあると考えています。
勝ち続けるには
生き残る為に重要な要素である『損益比率の理解』や『確率論的アプローチ』を以て相場と対峙する。
そして、出来るだけ合理的、論理的に行動できるように自分に合ったツールを活用する。
わたしの場合はそれが短期的トレンド定義であったり、オシレーターやボリンジャーバンドだということです。
価格のみでもパフォーマンスはトータルでは変わらないか、一時的には良い場合もあると思いますが
どちらにしても絶対がない以上売買は確率論的思考によるアプローチですから、売買判断を出来る限り単純化するのは合理的だと考えています。
たとえ下の動画のように結果的に微益になったとしても、ルール上の利益の最大化を狙うのは必要なことです。
余談
リンゴ農家の人が
『来週には収穫だったのに、昨日の台風のせいで今年はほとんどダメになってしまった(>_<)』
的な話をしているニュースをたまに見ます。
昔はそんなニュースを見るたびに
「あと数日で収穫なんだったら台風が来る前に収穫しとけばよかったのでは?天気予報って知ってる?」
と思ってました(゜_゜)
でも、そんな事したら 下手をすればすべて売り物にならないかもしれません。
最高の状態で収穫してこそ狙った利益を獲得できるのであって
そもそも最高の状態で収穫するという選択肢しかないと思います。
待つことで得られる最大益を狙う
至極当然でもあり プロフェッショナルでもありますね。
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